asahi.comから
http://www.asahi.com/national/update/0413/TKY200504130236.html?t5

 「婚姻関係にないフィリピン人女性と日本人男性の間の子が「父母が婚姻関係にないことを理由に日本国籍を取得できないのは、法の下の平等を定めた憲法14条に違反する」として日本国籍の確認を求めた訴訟で、東京地裁の鶴岡稔彦裁判長は13日、「国籍法の規定は、父母が婚姻関係にある子との間で合理的な理由のない区別をしており、憲法に違反する」と述べ、原告に日本国籍があることを認めた。」

 外国人母と日本人父の間に生まれた婚外子の国籍取得の問題。

 まずは、生来的国籍取得の問題。

 国籍法2条は、「子は、次の場合には、日本国民とする。 一 出生の時に父又は母が日本国民であるとき。」と規定する。

 この「父又は母」は、法律上の父又は母と解されている。
 だから、子どもが認知された場合、認知した父が日本国民であれば、その子の法律上の父は日本国民ということになる。

 しかし、「出生の時に」という限定があるので、子どもが出生後に日本国民である父から認知を受けても、その子は日本国籍を取得できないのではないかということが問題となる。

 ところが、民法第784条は、「認知は、出生の時にさかのぼつてその効力を生ずる。」と規定して、認知の遡及効を認めている。

 認知の効力が出生の時に遡及するなら、子どもが出生後認知を受けても、その効力は出生の時に遡るのだから、「出生の時に」「父が日本国民」という要件に当てはまるのではないか。

 最高裁は、国籍の浮動性防止の観点を強調して、出生後認知を受けた子どもは国籍法2条によって生来的国籍を取得することはできないと判断した。

 これが、私も関わったバルゴ・マイラさんの長女の国籍確認訴訟の到達点。

 その事件の最高裁判決の補足意見には、国籍法2条は憲法14条の法の下の平等に反するとは言えないが、国籍法3条は反する可能性があると言及した。

 で、次に国籍の後天的取得の問題。

 国籍法3条は、
「父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子で二十歳未満のもの(日本国民であつた者を除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であつた場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であつたときは、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる。
2 前項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を取得する。」と定める。

 出生後認知を受けて、国籍法3条の届け出をしたが、父母が婚姻していなかったので、届け出が受理されなかったというのが、冒頭で紹介した今回の判決で問題となった事例である。

 国籍法3条2項は、届け出の時に日本国籍を取得すると定めているので、生来的国籍取得ではなく、後天的国籍取得の問題である。

 マイラ事件を乗り越えて、今回国籍取得を認める判決が出たことは、ほんとうにうれしい。
 他の事例への波及効果もあるだろうし、先日マスコミを賑わした集団提訴にも影響すると思う。

 本当によかった。
 弁護団の皆さん、本当にご苦労さまでした。
 国は当然控訴してくると思われますので、油断できないが、心からエールを送りたい。